強引男子のイジワルで甘い独占欲
「朋絵がいい子だって知ってるから、ひがみっぽく思っちゃっていつまでも残ってる気がする」
ああ敵わないなって思うからこそ、なんで自分はこうなんだろうなんて、そんなネガティブな考えが浮かんできてしまう。
意地っ張りな部分が嫌になったり、勝気な性格を恨んだり。
考えても仕方ない事を悩むのは嫌いだし普段はそんな事思ったりしないのに、弱っているからかそんな事を思ってしまう。
「佐野でもひがんだりするんだな、意外」
本当に意外そうに言う眞木に、苦笑いを返す。
「いとこで同じ歳だと小さい頃から色々比べられて育つからね。
嫌でも意識するよ。
親族で集まればいつもそんな話になるし、朋絵の方が~なんて目の前でよく言われる」
女の子らしい。おしとやか。清楚。上品。
女性の代名詞とでも言えそうな言葉は全部朋絵に使われて、私への言葉と言えばハッキリしてるだとか自分を持っているだとか。
裏を返せば意固地で遠慮がないとでも言えそうな言葉で表現される事が多かった。
相手にしたらギリギリ絞りだした褒め言葉だったのかもしれない。
朋絵を褒めた分、私の事も褒めてあげなくちゃっていう義務感から出た褒め言葉。