強引男子のイジワルで甘い独占欲
しかも多分、そこまで悪いとは思っていない感じだ。
借りてた本返すの遅れちゃった~レベルのごめんを笑いながら言われて、慎司との事は別に被害者だとか思っているわけではないけれど、さすがにイラっとしてしまった。
この話題をずっとしないで過ごすのは無理なのは分かっているけれど、話の仕方っていうものがあるんじゃないかって。
「謝らないで」
「だけど、まだ一度もちゃんと謝れてなかったから……」
「笑いながら謝っておいて、ちゃんとってどこが?
そんなならもう謝らなくていいよ。気分悪くなるだけだし」
口調がきつくなってしまったからか、朋絵の顔が強張る。
少し言い過ぎたのは自分でもすぐ分かったから、バツの悪さを感じながらも話を続けた。
「それに、別に朋絵が悪いとか思ってるわけでもないし、そもそも謝ってもらう必要もないし……。
正直に白状すればまだ吹っ切れてるとかいうんじゃないけど、でもそれは私の問題で朋絵も慎司も関係ないから。
態度悪くなっちゃってごめん。ふたりは気にしないで仲よくやって」
そう言ってなんとか笑って見せると、朋絵はなぜか驚いたような顔をして。
しばらく黙ってから、違う話題を出した。
「眞木さんと噂になってるみたいね」