強引男子のイジワルで甘い独占欲


相性もあるだろうし、相手によって性格は多少変わるっていうのもある。
この人相手だとSだけど、普段はMとか、中学時代と高校時代では性格が変わっていたり、多重人格だとか演じてるわけではなく、自然とその場に合わせて多少変わるのはごくごく自然な事だ。
……でも眞木に至っては、どこで誰と話そうが同じに思えてしまうけど。

あれだけの外見と俺様気質があればどこでも眞木は眞木のままで通せるって事だろうか。

そんな風に考えて、まったく世間は顔のいいやつには甘くできてるななんて苦笑いをもらしていると、「ちーちゃんってなんでそうなの……?」と呟くような小声が聞こえてきた。

視線を上げると、険しく顔を歪めた朋絵がいて驚く。
いつも微笑んでいるようなイメージが強かっただけに、こんなにも不快を露わにしている朋絵は初めてだった。

「他の人に何言われても平気そうにして……いつだって自分が正しいみたいな顔して。
慎司さんは、ちーちゃんを捨てて私を選んだのに、なんでそんな風に堂々としてられるの?」
「なんでって……振られたら堂々としてちゃダメなの?
慎司に捨てられたからってコソコソしてなくちゃいけないっていうならそっちの方が分からないけど」




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