強引男子のイジワルで甘い独占欲

普段とはあまりに違う朋絵に戸惑いながらも思った事をそのまま言葉にすると、朋絵の顔がまた少しきつくなる。

何も考えずに持ち前の負けん気でついつい反論してしまったけれど、朋絵がおかしいのは分かっていたんだしそのままはいはいと聞き入れていた方がよかったかもしれない。

勝気な私がそう思うほど、今の朋絵はおかしく見えた。

「慎司さんが私を選んだって事は、私の勝ちって事じゃない！
ちーちゃんは私に負けたのに、なんでそんな平気な顔してるの？！」

やっぱりおかしい。
いつもは穏やかで大人しい朋絵がこんな強い口調でこんな事を言ってくるなんて、よほど情緒不安定なのかもしれない。

そうは思ったけれど……ひどい言われ方をしているしそのまま言われている事もできなくて、なるべく落ち着いた声を意識しながら朋絵を見つめた。

「私は負けず嫌いだから、慎司がモノだったら平気じゃないかもしれないけど……。
違うじゃない。慎司は自分で考えて朋絵を選んだんだし、それは私がどうこうできるものじゃないから。
悔しくないって言えば嘘になるけど……」