毒龍
その姿を見た瞬間俺は後ずさりをして後退した









青かった瞳から赤い瞳に変わったその目で月を見ていたのだ

その真っ赤な目から赤い涙を流しながら……


「毒龍先輩…
いや、ここでは天川先輩ですかね
目合わせてませんか?」

確かに俺の名字は天川だ

だがなぜ知ってるんだ

先輩って事は中学の後輩か?

いやでも俺の中学は……

こんなバカみたいなのが行くところではないはずだ

「バカって酷くないですか?」

は?

なんで分かるんだよ




____バタン




ぐるぐると回る思考を止めたのは人が倒れるような物音だった



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