手話~僕等のカタチ~
「……智あの子知ってる?」
「いや…知らない。」
ていうか、一瞬の出来事で頭がついていかない…
速かったね、と横でケラケラ笑うチャラ男。
なんだったんだと思いながら、俺は自分のプレゼントの存在を思い出したので、慎司と一緒に拾い始めた。
最後の一個を拾ってふと横を見ると…
ん?
廊下の隅に紙が落ちている。
拾いあげて見てみると…
「あっ、それさっきの子が落としたプリントだよ。同じのだったから。」
横から見ていた慎司がそう言った。
「一年四組 笹村 志歩(ササムラ シホ)…」
プリントの持ち主の名前だ。