手話~僕等のカタチ~
◆3章
誕生日
うるさいセミも鳴き止み、かれこれ11月。
夏休みなどというものはとっくに終わり、新学期を迎え、相変わらずの学校ライフを送っている。
そして毎週火曜日と木曜日は、笹村と一緒に"ひまわりの会"に通っている。
今日は水曜日。
昨日ひまわりに行ったときに、芝田からこんなことを聞いた。
___「ねぇ盛山くん。」
___「ん?」
___「知ってる?11月7日って志歩ち ゃんの誕生日なんだよ?」
___「…マジで?」
___「マジに決まってるじゃーん!
いや~、ライバルにこんなこと 教える僕って優しいよね~。
感謝してる?
あー僕喉渇いちゃったー。
オレンジジュース飲みたいな。
オ・レ・ン・ジ・ジュ・ー・ス、
飲みたいなぁー!」
…はい、ご想像通り、買わされました…オレンジジュース。
でもそんなの、誕生日に比べたら安いもんだっ!
俺はそう考えることにした。