手話~僕等のカタチ~
【あれっ盛山くん、どうしたの?】
【俺、帰るわ。】
【えっ、でもまだ来たばっか…】
【ごめん……じゃ。】
彼女の言葉を遮るように言った。
その時一瞬見えた、すごく悲しそうな彼女の顔。
でも知らないふりをした。
【あら智くん、もう帰るの?】
【はい、ちょっと体調が…】
【そう…お大事にね。】
ぺこっと会長さんに頭を下げる。
ガチャ……パタン…
あの場から逃げたかった。
キミの笑顔が苦しくて。
キミにあんな顔をさせた自分が許せなくて。
キミは何も、悪くない……