手話~僕等のカタチ~
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昼休み。
屋上も、もう行ってない。
笹村だって…もう行ってないだろう。
「さーとしー、購買行くべ。」
「おう。」
慎司と並んで歩いた。
いつものように廊下をまっすぐ、そして右の階段を下り……えっ?
「おい慎司、どこ行くんだよ。」
なぜか階段を上り始めた。
「ん?あぁ、まぁちょっくら付き合えや。」
「はぁ?付き合うってどこに。」
慎司はいいから〜、と手をひらひら振って、スタスタと上がっていく。
はぁー…何なんだよ。
そう思いながら変人についていくが……
どんどん上まで上がっていく。