あと一粒の命
ピッピッピッピ



無機質な機械音が嫌でも耳に入ってきた。

目を開ける。
だけど目が明かりに慣れてなくてなかなか開けることが出来ない。


やっとの思いで目を開けた。
だけど横にいるのは両親でも祖父母でもなく看護婦だった。

「あ、おはよう!!おばあちゃんたちが後できてくれるって!!」

私は目を開けて呆然としていた。
「橘 夏凛さん。後で先生からお話があるから、ちゃんと受け止めてね。」

そう言われて初めて私は看護婦の方を見た。

たちばなかりん。
橘夏凛

夏に凛と咲く向日葵のように前向きに育ってほしい。
そんな思いで両親が付けてくれた名前だ。


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