あと一粒の命

存在意義

その男の子は私を教室までつれていってくれた。
彼は頭の後ろでてを組ながら歩いていた。


「お前さあ、親が死んだんだっけ?」

「っ!!」

心臓がどくんと跳ねた。

足が震える。
今までなんともなかったのに....


そんな私を見た彼は
「わりい…、デリカシー無かったわ…」


私の頭を数回撫でてくれた。
母以来だった。


事故の前日にテスト結果をいった時だ。
がんばったねって───...



「頑張ったな。」







「…え」



心が見破られた。
そういってもおかしくない。

そして、彼は続けた

「俺もいねぇんだわ…」



そういう彼の横顔は、笑っていた。




私には笑う理由が分からなかった
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