電波的マイダーリン!
「……はい?」
ここまで追い詰めといて突然呆れたみたいな顔をする伊吹に、あたしは開いた口が塞がらない状態だ。
「いくら僕でも、そこまで深く考えませんよ。というか、ゲームなんてありえませんし。仮定を踏まえたインスピレーションでの結論です」
「は…はあ…そうっすか…」
「ええ、すいません。少々言いすぎました」
「いえいえこちらこそ…」
「では、僕はあのカフェに居るので、みなさんにそう伝えておいて下さい」
「あ、了解です」
それを聞き届けると、伊吹は何事もなかったかのように、回れ右をして向こうの方にあるカフェへと向かって行った。
…ってちょっと待てぇええ――ッッ!!!!
なに!?
さっきのは一体全体なんだったというのだ!!!?
っていうか、仮定を踏まえたインスピでそこまで考えられるってアイツただモンじゃねェ!!!!
何者!?
ねぇアイツ何者!!!?
「…千早」
「にゃっにゃんすか!?」
「アイツ、毎年来んの?」
「え、伊吹?…うん、まあ、毎年といえば毎年のように…」
「ふーん…」
意味深な呟きに、あたしが首を傾げて見せると、カイトはカフェの方へと顔を向けて、
「…俺、アイツ嫌い」
ボソッと、まるで拗ねた子供のような表情で零すカイトに。
あたしは不意を突かれて笑ってしまった。