電波的マイダーリン!
そうやって楽しく過ごしてる反面。
でもやっぱり気になるのが伊吹。
そして、何故か不機嫌なカイト。
険悪ムード…とまではいかないけども。
いやでもちょっとなんかそれっぽい空気漂ってる気がしないでもない。
あたしは横目に二人を捉えつつ、乗り物に乗って遊んでるわけでして。
この計算力も計画力もないあたしの脳みそで、二人をどうしろと…!?
スプラッシュから降りてきたあたしたちはびしょ濡れで、特に花梨なんかは怖さと寒さでガタガタ震えている。
うん。
なんかごめん。
「よしっ次はこれ乾かすためにジェット乗るぞジェット!!」
「ミッキー絶好調ですねー!!」
「ふっ…遊園地は俺の聖地なのさー!!」
「デズニーランドじゃなくてですかぁ!?」
「小さいところは気にしなくていいの!!この子は!!」
そんな茉莉と瑞希のやり取りを見ていると、ふと茉莉がカイトを見つけて駆け寄った。
「カイさんカイさん!!ジェット一緒乗ろうぜよ!!」
腕を引っ張る茉莉に、カイトは不機嫌な顔を少しだけ和らげて答える。
「あー、俺はいいや」
「どぇー!?なんでですか!?怖いでやんすか!?」
「違うけど……あ、茉莉」
何かを見つけたらしいカイトは、屈みこみ…茉莉の口元に指を持って行き――…
「…髪の毛、食べてる」
「……あ、ありがとうです!!」
…――それだけ。
たったそれだけなのに。
今、なんか、おかしな胸騒ぎが……。