電波的マイダーリン!
あたしはババッとカイトに身を乗り出して叫ぶ。
カイトは仰け反りもせず、むしろ至近距離に顔を近づけてきた。
「バレてる方が、こーいうこと、しやすくない?」
怪しく魅惑的な感じの笑みを浮かべ、あたしの顎のラインを人差し指でスッとなぞる。
瞬間移動さながらのスピードで後退するあたし。
たぶん今あたし顔真っ赤だ!!
最低だ!!
バクバク鳴ってる胸を押さえ、あたしはカイトに背を向ける。
そんなあたしを見つめて、面白そうに口元を歪ませるカイト。
なんか今日はコイツ意地悪だ!!
イジメだ!!
乙女ゲームか!!!?
脳内大混乱中のあたし、その時、部屋のドアがノックされた。
「はっはははははいぃ!?」
慌てて返事をしたからか、めちゃくちゃ噛みまくってしまった。
自分ダセェ!!
ガチャリとドアが開き、覗いた顔は伊吹のもの。
「お風呂、空きましたけど。どうします?」
「あ、あたし最後でいいっす!!カイト、入っちゃってくれたまえ!!」
「千早、先でいいから」
「いやいや、あたしが最後に入るんで!!っていうか今入るとちょっとのぼせるかもしんないっすからどうぞお先に!!」
心からの本音を言えば、カイトは渋々っていう面持ちで立ち上がり、部屋を出て行った。
…出て行く直前、伊吹に視線を投げた気がしたのは気のせいか…。
なんか睨んでるみたいな感じでしたが気のせいですか…(汗)。
あたしがそう考えながらドアを見つめていると、伊吹が部屋に入って来た。
「どうしたんだい伊吹くん。ここはキミのような天才が来る場所じゃないよ」
「頭でも打ったんですかあなたは」
「ふっ…遠まわしにバカにするなら直球でバカにしてくれたまえ。」