電波的マイダーリン!
哀愁を漂わせながら言うと、伊吹は小さくため息をついた。
と…
年下にため息つかれちまった…orz!!
なんてね。
毎度毎度呆れられてるからもう慣れっこですよ…ふふ…。
「千早さん」
「にゃんだい」
「花梨さんにも、気づかれたみたいですね」
「……うんまあ気にすんでないよ…」
「いいんですか?」
「ま、花梨だからねぇ…。バラすみたいなこと、しないって信じてるし…」
あたしがそう言うと、伊吹は「ふぅん」と何やら意味を含んだような呟きを洩らした。
それが気になり顔を上げる。
…瞬間。
「“俺”は、そんなにいい人じゃありませんよ?」
いつの間にそこに居たのか。
いつの間にあたしを壁際に追いやっていたのか。
両手をあたしの顔を挟むようにして壁につき、座っていたあたしを足の間に挟むようにしてついた膝。
伊吹の…レンズ越しじゃない冷めたような瞳は、あたしを捉えて、離そうとしない。
「なっ…い、伊吹……?」
初めて直に受けた視線に戸惑い、あたしの声は震えてる。