電波的マイダーリン!




「別に俺に話してもいいけど…たぶん解決はできないと思うぞー?」

「何故(なにゆえ)!?」

「だって俺、恋愛相談なんかされたことないし」


あー…。


笑顔のまま固まるあたし。

暫しの沈黙をおいて。


「…うん。まあなんていうか、頑張りたまえ、少年。」

「哀れみの瞳を俺に向けるんじゃありません!!虚しくなるでしょ!!」

「や、実はあたしもそういうのは無縁なのだよ~ミッキー。仲間仲間。」

「なんかそういうので仲間って悲しくない…?」

「言うでないよ。あえて。」


二人して哀愁を漂わせる。

たぶんこの夕方の公園で、切ない空気を纏った場所ってここだけだと思われる。


「…ま、いいや。で、どんな相談?」

「いやはや。奇しくも衝撃の事実を知ってしまいまして」

「ふむふむ。で、内容は?」

「…あのぉ~…そのぉ~…みかりん様が…実は伊吹さんのことを…好きらしく…」


躊躇いがちに小声で伝えると、瑞希は呆然とした表情で硬直した。

うん、わかる。

わかるよその反応。

そうなるよね。


「ね、衝撃だよね。うん。あたしもそうだった。ビックリした。下手なドッキリよりドッキリした。」

「……うん、俺も……マジで、ビックリした」


上手く喋れないほど驚いたのか、瑞希は硬い笑顔を口元だけに浮かべ、途切れ途切れに話す。

でも、その後から何も言わなくなったから、あたしは訝しげに眉をひそめてみせた。


「どったの?」


軽いノリで呼び掛けたのに、瑞希はジッと地面を見つめているだけ。

目の前で手を振って見せると、ようやく我に返ったようにあたしへと目を向けた。

だけど、なんかどことなく、暗い…。


「……ヤベ…」

「…?ミッキーさん?」


「何がヤバいんすか?」と、聞こうとした時。






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