電波的マイダーリン!




「……『CRASH』?」

「あ゛……」


たっ…


高ぇ……

あのお店ガチで高ぇ…!!

花梨が前ファッション雑誌見ながら、


『“クラッシュ”?って高っ!こーんなヘロヘロのTシャツ一枚で三千も金取んのかよ!ぼったくりか!』


とか言ってた気がする。

セールでもないこの時期に…それはいくらなんでも高いっていうか…。

あたしの所持金全部合わせても…1週間着回す服は買えないかと…。


や、やっぱここは某有名ファッションセンターで、


「いらっしゃいませー!当店のご利用は初めてですか?」


「ちょっカイトさんそれはマジっすか!!!?」


あたしを引っ張って勝手にお店へ入っていくカイト。

あたしは抵抗するヒマなく地獄へイン。

笑顔のスタッフさんに話かけられて、泣く泣く「は…はい」と頷くしかなくなってしまった。

その後、会員に入れられたのは言うまでもない。













スタッフさんたちは、カイトに洋服を試着させるのをめちゃくちゃ楽しんでいた。


『何着ても映える!着せがいがあるね!』


店長らしい男性に親指を立てられて苦笑いしてたあたしって不幸。

まあ、そのおかげで何気サービスしてくれたんですがね。





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