電波的マイダーリン!
「…――お…っまえ!ちーちゃんに何してんだよっ!!」
グイッと勢いよく腕を引っ張られ、ムリヤリ立ち上がらせられたあたしは、その力に死ぬかと思った。
そして、この声に驚いて、振り向いた。
「…みっ…ずき…!?」
あたしの腕を引っ張ったのは、紛れもなく、瑞希その人で。
しかも、なんかものすごく息が上がってるって言うか、走って来たみたいな。
伊吹は冷静沈着な表情で、ゆっくりと立ち上がると、あたしじゃなくて、瑞希を見た。
「何をって、何もしてませんけど?」
「嘘つけコンニャロッ…!!超顔近かっただろーがッ!!」
「だから、なんですか?」
「…くっそ…!お前と話してるとムカつく!!すンげェムカつく!!俺コイツと口喧嘩勝つ自信ねェよッッ!!!!(号泣)」
ちょっwwおまっww
「だったら、千早さん、返してくれません?」
伊吹が右手をこちらに差し出す。
けど、瑞希はあたしの腕を引っ張って、自分の後ろに行くよう促す。
「嫌だね!!お前みたいなヤツにちーちゃんやらねェぞコラッ!!」
や、瑞希さん…あたしはアナタのものでもないんだがww
瑞希の言葉に、伊吹は不愉快そうに眉をひそめる。
「“お前みたいなヤツ”…ですか?」
「そーだよ!!人の気持ちも考えないで弱ってるとこにつけ込むようなヤツのことだよバーカ!!」
アナタホントに高校生ですかみたいな捨て台詞を吐いてから、瑞希はあたしを引っ張って駆け出す。
あたしは慌ててその後を追った。