電波的マイダーリン!




で、その様子で一言。


「千早って、可愛いよね」


くっ…コイツ……


「…ホラ」

「…にゃ?」

「すぐ赤くなるし」

「なぬっ!?」


あたしが赤くなっているだと!?

そんなわけない!

確認するためにショーウィンドウに顔を映し出す。




…まっマジだ…



ガチで赤い。

嘘だ。

あたし乙女捨てたはずなのに何故だ!?

何かの間違いっすよね!?


あたしはグッと拳を握り、赤くなった顔を正常にしようと努める。


「千早」

「なんすか!?」

「そこから離れた方がいいよ」

「なんで!?」

「顔、上げてみ」


言われた通り顔を持ち上げる、

と。




お店の中からごっつ見られとりますがな。




「のわぁあッ!!!!すすすんませーん!!」


いっそいでその場から逃走を図る。

カイトは何も言わずについてきて、終いにはあたしより先に立った。

足の速さじゃ、やっぱ勝てないらしい。


…や、いろいろと、カイトには勝てる気しねぇっす……。














町外れの公園に、やみくもに走っていたら着いてしまった。

緑が綺麗な公園。

噴水まである。

走り疲れたあたしは、噴水の側にあったベンチにへたり込んだ。





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