電波的マイダーリン!
もう何が何だかわからなくなったあたしの頭の中は大暴走。
カイトを見て、小町さんを見て、またカイトへと視線を向ける。
小町さんの表情はとっても愉快そうだ。
「どういうことですか!?」
口を覆ったまま小声中の小声で尋ねると、小町さんも同じようなボリュームの声で答えてくれる。
「この子、逃げてきたの♪」
「逃げっ…!?」
「まあ、詳しい話は彼から聞いてっ。私は仕事があるから。千早ちゃん、ファイト♪」
小町さんはあたしの背中をポンっと叩き、静かに扉を閉めて行ってしまった。
絶対楽しんでる…。
あの人絶対この状況楽しんでる…。
小町さんのイメージを追加したあたしは、扉から、カイトの眠るソファへと視線を移す。
……久しぶりに見た寝顔。
くっ……コイツの寝顔は鼻血モンですぜ親っさん…
(゚艸゚;)(←鼻血を堪えている図)
…なんて、笑える心境じゃない。
笑い飛ばせるなら、笑い飛ばしてやりたい。
でもムリそうだ。
あたし今、
すごく泣きたい。
カイトへと歩み寄り、その綺麗な寝顔を見下ろす。
ダメだ。
…堪え切れなさそうだ。