電波的マイダーリン!
「……カイト…」
名前を呼ぶ声は、酷く掠れて震えている。
可愛さなんてどこにもない、呼び方。
だけど。
カイトは、
ゆっくりと瞼を開いてくれた。
その瞳は、一度宙を彷徨い、そしてあたしへと辿り着く。
次いで驚いたように瞬きをし、心地よい綺麗な低音で、あたしの名前を呼んだ。
「……千早…?」
その瞬間。
あたしの中の何かが、プツリと音を立てて途切れ、崩れ堕ちた。
比例して崩れ堕ちる身体、そのまま、あたしはカイトに抱きついた。
「…うっ…かっカイトぉッ…!どこ行ったかとおもっ思ったよぉ…!もう会えないかと思った…しっ心配したんだからぁッ…!」
溢れて止まらない涙。
バイトの制服を着ていたカイトの胸板に押し付けた瞼。
そこは見る見るうちに濡れていく。
…“心配した”
うん、間違いじゃない。
だけど、ホントは…本当の気持ちは…
「……もう…一生会えないかと思って…怖かった……ッ」