電波的マイダーリン!




そう、怖かった。

ずっとずっと怖かった。

また、一人、あたしから…離れて行ってしまうのか、と。



…――また、あたしは一人になってしまうのかな…って…。








「……ごめん」





カイトの、掠れた声が聞こえた。

同時に、頭には温かなぬくもり。


カイトの手が、あたしの頭を撫でてくれてる。


あたしは顔を上げないまま、ボソッと。



「……許さないもん……全部話してくれるまでっ…絶対許してやんないもんッ……!」


子供みたいなあたしの言い草に、カイトは穏やかな口調で「うん」と言った。












ようやく落ち着いてきたあたしは、床に座り込んでソファに頭を乗せて、ソファに座っているカイトを目線だけで見上げていた。

あたしの顔の横にはカイトの足がある。

ソファはそれくらい狭かった。


「……よくもまあ…こんな狭いところで寝てたねぇ…」


あたしが感心半分呆れ半分で言うと、カイトは小さく、自嘲するように笑った。


「…ちょっと思った、それ」


…言うまでもないだろうけど、カイトはこの夏休み中、この部屋で過ごしていたのだ。






< 188 / 375 >

この作品をシェア

pagetop