電波的マイダーリン!
だけど、わかったのはまだそれだけで、理由を一つも聞いてない。
だからあたしは、ジト目でカイトを睨み上げる。
「さぁカイトさん。理由を聞かせていただきましょうか」
口を尖らせて言うあたしに、カイトはチラリと横目で視線を送り。
瞼を閉じて、次いで正面を向いて伏し目がちに。
「…どうしたらいいか、わかんなかったんだよ」
素直な本音を話しだす。
声は落ち着いている…と言えばそうなのかもしれないけど、たぶん、この静かな物言いは、自分を責めてる言い方。
「…伊吹が、千早のこと好きだって、見てればわかる。
そしたら、なんかムカついた。
ムカついて、どうしていいかわかんなくなって…
…千早に、酷いことした。
…ホント…ごめん」
きっと。
いつか花梨が言っていたように、カイトは口下手で不器用なんだと思う。
あぁ、なんか悔しいかも。
あたしより、花梨の方がカイトのこと、わかってたなんてさ。
「……いいよ。全然気にしてないもん。酷いことだなんて思ってないから…
…あたしは、カイトが出て行ったことの方が、嫌だった…」
カイトの方に向けていた顔を、反対側に向けて拗ねる。
だってホントに嫌だったから。
そしたらカイトは、ソファに乗ったあたしの髪の毛を、一束、緩く握った。
「…あのまま一緒に居たら、俺、千早に何するかわかんねぇし。
もしそうなったら、止める自信、俺にはない。
…意味、わかる?」