電波的マイダーリン!
背もたれに寄りかかり、深ーいため息を吐く。
今日ってホント散々。
横に腰を下ろしたカイトを気にしつつ、あたしは春の霞んだ空を見上げた。
向こうの方はオレンジがかっている。
あー…なんか、
「トロピカルジュースみたーい…」
「なに?」
「…独り言だよ…いちいち反応してくれなくても結構だよ」
ぶうたれてみせると、カイトがあたしの膨れたほっぺたをつついた。
「…マシュマロみたい」
「食べないでおくれよ」
「食べようかな」
「…冗談に聞こえないんですがカイトさん」
瞬間、ズイッとカイトの顔が接近。
で、また余裕そうな笑み。
「冗談に聞こえないなら、そうなんじゃない?」
「……ッ!!!?」
近い近い近い近い!!!!
近距離でスイートミサイル攻撃だと!!!?
迎撃用意だ迎撃ミサイル!!!!(大混乱リターンズ)
あたしは反射的に立ち上がり、
「……ッぬはっ!!!?」
拍子で噴水の縁に足を取られ――…
バッシャーンッッ!!!!
…――後ろ向きに噴水へと転落した。
何が起きたのかまったく理解できてない…
…や、頭じゃ理解してるのに体が本能的に慌てるから更に起き上がれない。