電波的マイダーリン!
…瞳が合ったのは、たぶん同時だった。
あたしは瞬きさえできない。
カイトは真剣な瞳で、あたしを見つめてる。
そして、ゆっくりと口を開く。
「…――それくらい、俺は千早しか見てないってこと」
ダークブルーのその綺麗な瞳が、熱っぽく、あたしを視界に映してる。
あたしはそれを見つめながら、ゆらゆらと揺れ始める自分の瞳に戸惑った。
それは次から次へと頬を伝い、ソファに染みを作っていく。
今までずっと悲しくて泣いていた。
だけど今日、嬉しくて涙が出る。
こんなに幸せなことってない。
カイトの右手が伸びてきて、あたしの頬を伝っていく涙を掬う。
それから屈みこみ、止まらない涙をペロリと舐める。
驚いて身を引くあたしに、カイトはやっぱり真剣で熱い視線を向けてくる。
「…俺、今すごい千早抱き締めたいんだけど。…ダメ?」
あの上目遣い。
それに加えて、今日は何だか…すごく、甘い。
あたしが首を横に振ると、カイトはあたしの片頬を右手で包み込み、囁く。
「…おいで」