電波的マイダーリン!
放課後、お昼ごはんを食べた後から爆睡していたあたしは、寝過ごして慌てて昇降口に向かっていた。
「ヤっバいっ!ヤっバいっ!寝っすごっしたっ!!」
階段を飛び降りながら、リズム的に歌っぽい感じの言葉を言いながら昇降口に辿り着いたあたしは、そこに居た人物に驚いて立ち止まった。
黒髪が夕陽に反射して綺麗だ。
ダークブルーがこちらを向き、一言。
「…遅い」
…いやいやいやいや!
待ち合わせした憶えないんすけども!!
「え、なに?なんすか?」
あたふたと尋ねるあたしに、黒髪のその人、カイトは小さく手招きする。
「ちょっと付き合って欲しいんだけど」
「はっ!?」
「買い物」
「なんの!?」
「ヒミツ」
「んにゃっ!?」
果てしなく自由奔放だぜこの人…。
しかも『ヒミツ』ってなんなんだい!?
ちょっと上目遣いに人差し指伸ばして口元に持って行ってんじゃないよトキメくからッッ!!!!
(゚Д゚)クワッ
けど。
…放課後デートみたいな感じで、ちょっと、いいかもしれない…(赤面)。