電波的マイダーリン!
…ってことで、結局、花梨は用を言わないまま(思い出せないまま)通話を切った。
あたしはスープの味見をして、自分で
「ウマい!!いやはや、さすがは千早さんだね!!お店出せるよ!!」
とか言ってみる。
…だがしかし!!
一人じゃないのだよそこのキミ!!
味見してくれるのは、あたしだけじゃないのだよ!!
ということで。
「カイト、カイト!!味見、味見♪」
なんか歌っぽくなっているあたしの言葉に、カウンターへカイトがやって来た。
「なに?」
「だから、味見だよ、味見!!ふっふっふ…今日のは絶対美味しい!!いや、いつも美味しいけどね!!」
「あっそ」
「ちょっwwそこ普通褒めるとこww」
カイトはキッチンへと移動してきて、味見のために、あたしが使ったスプーンを手に取った。
…いや、ちょっと。
…ちょっと!!
「それ、あたしが使っ……」
パクッと。
止めようとした瞬間、カイトは躊躇うことなくそのスプーンで掬ったスープを口に入れた。
「ん。美味い」
で、何事もなかったように、ペロッと軽くスプーンを舐めて言う。
あたしは硬直状態だ。
や、だって…
だって今のはぁああ……ッッ!!!!