電波的マイダーリン!




「なにか?」


みるみるうちに赤く染まるあたしの頬を見つめ、カイトは悪戯っぽく聞いてくる。


コイツムカつく!!


「いえ、なんでもございませんのことよ!!」


おかしい日本語を喋りながら、さっさとスープをお皿に入れて行くあたし。

けど、カイトはそんなに簡単に見逃してくれないらしい。

あたしの片頬へと右手を伸ばしてきて、容易く自分の方を向かせる。

下から覗き込むようにして身を屈めるカイトに、あたしは目を逸らす。


「千早、顔、赤いけど?」

「気のせいじゃないかな!?」

「じゃ、これも気のせい?」


言って、カイトはあたしの耳をペロッと舐めた。


「うひぃっ!!!!」


叫び方が女子じゃないあたし……orz

でも真面目にビックリして、そりゃもう真っ赤になって、耳を押さえて後ずさる。

カイトは意地悪そーな顔で口角を軽く持ち上げる。


「ホラ。顔、赤いけど。気のせい?」

「~~~~ッッ!!!!スープあげないもんね!!も、絶対あげないもんね!!」


スープの乗ったお盆を持って早足にキッチンを出るあたしに、カイトは笑う。


「冗談だって。嘘。そのスープ、美味いから、ちょーだい」


………………。


…そんな顔で言われたら、



「……わかってるよ…」



…あげないなんて言えません…orz


嗚呼…惚れた弱みは一生モンかコンニャロー。





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