電波的マイダーリン!
「おいおいっあれ誰なんだよ!?」
あたしの家に集まった一同は、リビングのカーペットの上に輪を作って座ってる。
一番最初に声を上げたのは、瑞希だった。
あたしはずっと膝を抱えて俯いたっきり。
花梨は制服のままなのにあぐらをかいて、ご立腹のご様子。
カイトはあたしの隣に座って、あたしの手をずっと握ってくれている。
「っていうか、なんでちーちゃん、あんな怯えてたんだよ!?花梨もなんか怒ってるし…なんかあったわけ?」
「あったわよ。」
「なにが!?」
「あんたに話したってわかんないわよ。一緒に居なかったじゃない」
「そ、りゃ…そーだけど……
……話してくれたっていいじゃん」
花梨の一言に、瑞希は勢いをなくして俯いた。
「…なんもわかんないし知んないけど…今は一緒に居んじゃん…」
「…………。…うん、ごめん」
言いすぎたと思ったのか、花梨も少し柔らかな声で謝った。
少しの沈黙のあと、カイトが不意に口を開いた。
「美山、何があったか話してくんない?俺も知りたい」
カイトがジッと花梨を見る。
花梨はカイトをジッと見つめ、瞼を落として頷いた。
「…わかった。千早、いいわよね、話しても?」
「……うん」
あたしは小さく了承を示す。
それを見届け、花梨は一呼吸おいて話しだす。
「…そうね、一年前…今年が終われば二年くらい前になる話だけど。
千早の苗字は、その一年前まで、“如月”だったの。
意味、わかるわよね?
…――あの葵って男と、兄妹“だった”」