電波的マイダーリン!




何か言われる前に自分で言うと、カイトは小さく笑って、


「わかってるよ」


そう言った。

それからベッドに腰かけて、顔をこちらに向ける。


「ココアだけじゃない。ミルクティーとかカフェオレとかさ。
…甘くて温かい飲み物って、なんか安心するよな」

「…うん。…え、ってか、なんでカイト、そんな飲み物をお知りで…?」

「あぁ、一応俺もカフェでバイトしてるし。小町さんとか、いろいろ飲み物作ってくれんだよ」

「あ、そっか。そう言えば…」

「作り方とか聞いてるし、今度作ってやろうか?」

「うむ!ぜひぜひ作ってくれたまえ!」


嬉しくなって身を乗り出すと、カイトは安心したように息を吐いた。


「…やっといつもの千早に戻った」

「え、あ…ついつい嬉しくなっちまいまして」


照れ隠しに笑って見せる。

カイトは「よかった」と呟いた。














翌朝はまたもや寝不足で、あたしは欠伸を隠すこともなく盛大にしながら登校していた。


今日は隣にカイトが居る。

カイトもちょっと、いやかなり眠そうだ。

そりゃそうだろう。


昨日はアニメで二人してオールしていたのである!!(どーん)


いやはや、かたじけない。

あたしが眠れなくて一人でリビングでアニメ見てたら、カイトが起きてきて『一緒に起きてる』って言ってくれまして。


『これ、面白い?』


って聞いてくるカイトに、あたしはそのアニメの良さを語りつくしたり(大迷惑)。






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