電波的マイダーリン!
なんて思いながらも、とりあえず。
「あ、姫華さん…」
「姫って呼んで!」
「かしこかしこまりましたかしこー」
「…パクりじゃないの!(怒)」
「すっすんません…」
姫華というらしいお嬢様…いや、お姫様は相当ご立腹のようで。
「わかってると思うけど、一ノ瀬くんはモテるんだから!」
「でしょうでしょう。」
「だから取らないでよね!」
「…は…い…?」
さすがに驚いた。
“取らないでよ”って…
…なんすか?
「どういうこと…?」
「私だって好きなの!」
「…うん…」
「ただ席が近くて話すからって独り占めしないで!」
…………………。
…独り占め…。
そう見えるようにまで、あたしが…
…どれだけ…
「…………でしょ…」
「え?聞こえなっ」
「あたしがどんだけ一生懸命だったか知んないでしょッッ!!!!!?」
姫華の声を遮って、あたしは叫んだ。
うっすら浮かんできた涙を飲み込みつつ。
「何も知らないのに…そんなこと言わっ言われたくない…ッッ!!」
グッと喉が鳴る。
姫華は下唇を噛み、険しい顔つきになる。