電波的マイダーリン!
「…う、るさい!私が知らないのなんて当然なの!だって近くに居ないんだから!」
姫華の言い分は、あたしには言い返せないもので。
あたしが黙ると、姫華はフイッと顔を背けて言う。
「とにかく、私も頑張らせてもらう…。神永姫華の名にかけて!」
ビシッと人差し指を伸ばしてあたしに突き付け、走り去る姫華。
…おかしい。
…シリアス場面が姫華とだとコメディになるとは…(唖然)。
昇降口には、花梨に瑞希、そしてカイトが待っていた。
あたしが駆け寄ると、花梨が呆れ顔で腕を組む。
「まったく…だから言ったじゃない」
「すんません…」
「なんもされなかった!?」
「うむ!」
瑞希の気遣いに頷く。
カイトは何も言わずに、あたしを見つめている。
…あ、また。
…責めてる。
あたしはカイトに近寄り、笑いかける。
「大丈夫だから!」
「…………。」
「むしろ面白かったし!」
「…そっか」
カイトは緩めた口元で呟く。
「は!?面白かったですって!?」
が、花梨は簡単に逃がしてはくれないらしい。
あたしは「にゃはは」と笑いながら答える。