電波的マイダーリン!
え?
どうして?
唖然とするあたしに、お母さんは微かに笑う。
「千早ちゃん、お帰り」
「た、だいま…」
空返事して、斜め前に居る葵を見る。
それからお母さんへともう一度視線を投げ。
「……あ…あたし…意味がわかんないんだけど…」
口元に困惑の笑みを作り、あたしはお母さんに率直な気持ちを伝える。
お母さんは「まあまあ」と。
「まあまあ、そんな顔しなーいの!ちょっと話があるのよ」
「話し…?」
「ええ。ちょっと座って?」
お母さんに促され、あたしはリビングの椅子に、お母さんの正面に腰を下ろした。
葵はお母さんの隣に座る。
「…千早ちゃん…あのね?…葵くん、
…ウチに住むことになったの」
「…………え…?」
意味がわからなくて、
いや、わかりたくなくて、あたしは聞き返した。
葵が、ウチに、住む?
「…どういうこと…?」
混乱しているのに、ヤケにどこかが冷めているあたしに、お母さんは誤魔化すように笑った。
「…早く言わなきゃって、思ってたんだけど…言うタイミングがなくてね…?」