電波的マイダーリン!




…イヤ。


…聞きたくない…。




「…お母さんね…?」




…ヤダ…




「…葵くんのお父さんと、元に戻ろうと思ってね…?」







…――ガタンッ





「イヤだッッ!!!!」





テーブルに手を叩きつけ、椅子から勢い良く立ち上がったあたしは、無意識に叫んでいた。

お母さんがビクッと肩を上下させ、身を引いた。

葵は落ち着いた表情でこちらを見ている。


けれどあたしは気にしない。

いや、気にする余裕がない。


「何それ!!知らないよ!!あたしなんにも知らない!!

どうして勝手に決めたの!?あたしになんの相談もしないで!!

言うタイミングなかったとか、そりゃ当たり前だよ!!だってお母さん仕事ばっかだったじゃん!!

イヤだよ!!もう絶対…絶対イヤだ!!」


ありったけの声と言葉で言い切り、あたしはリビングを飛び出す。

お母さんがあたしを呼ぶ声が聞こえたけど、止まらなかった。

靴も履かずに家を飛び出し、やみくもに駆けていく。


イヤだ。

イヤだイヤだイヤだイヤだ。


お母さんなんて大嫌いだ――…







…――ドンッ




その時、誰かにぶつかって、あたしはフラフラと倒れ……






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