電波的マイダーリン!
眠っていたのか理解できなかったけど、ずっと抱き締めてくれていたカイトが、顔を上げたあたしに「おはよ」と囁いたから、たぶん寝ていた。
ここはどこだろうと一瞬考え、すぐに小町さんのマンションだったなと思い出した。
瞬間。
「おはよーお二人さん!元気にしてる?」
リビングのドアが開き、ひょこりと顔を覗かせたのは小町さん。
今何時だろう?
なんてのんきなことをぶっ壊れた頭で考えていると、小町さんは「あ!」と口元に手を置いて。
「もしかしてお邪魔だった…?ムードぶち壊し…?ごめんなさい…」
「や、全然…すみません小町さん。ここって、紅茶ありますか?」
カイトはあたしを離さないまま、小町さんに尋ねる。
小町さんはニッコリ笑って、
「あるよ!とっておきのヤツがね♪」
なんて言いながら、キッチンに向かった。
カイトはあたしを解放し、小さな子供に話し掛けるようにあたしと目線を合わせて頭に手を乗せてきた。
「ちょっと待ってて」
「……うん…」
頷くと、カイトはフッと微笑んでキッチンへ足を向けた。
しばらくして、カイトがカップ片手に戻ってきた。
「はい、どーぞ」
スッと手渡されたカップからは、甘い香りが。
そして中には、白っぽい柔らかなベージュ色の飲み物。