電波的マイダーリン!




「千早って、一人で抱え込む癖、あるよね」

「う…うん…たぶん…」

「じゃ、聞くけど」

「なんすか…?」

「今、千早の傍に居るのって、誰?」


…何その質問。


……簡単すぎ。


「…一ノ瀬カイト」

「当たり」


「何それ」と小さく笑ったあたしに、カイトは続ける。


「だから、なんでも話してよ」

「……うん」

「なんでも聞くし」

「…うん」

「今、何して欲しい?」

「……傍に居て欲しい…です…」


口を尖らせつつ小声で答えたあたしに、カイトは笑う。


「じゃ、傍に居る」






……今だけは、カイトに支えて居て欲しい。















窓の外が真っ暗になった頃。

あたしはベランダに出て夜景を見下ろしていた。


…否、“見下して”いた。



「…フフフ……見ろ!人がゴミのようだ!!」

「千早。ちょっと黙ろうか」


…最近カイトさん、ツッコミの腕上げてません?

やっぱりあたしたちの影響ですかね?





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