電波的マイダーリン!
朝ごはんは洋風だった。
ハムエッグとバターパン。
カップスープ付きだ。
どっかの喫茶店に来たみたいな盛りつけ方。
「…さ…さすがっす小町さん!!」
「あら、ありがとー♪一応、私も喫茶店で働いてるのでそれなりにね!」
目を輝かせるあたしに、小町さんがウインクして答える。
ステキっす…
姉さんステキすぎるっす!!
そんなステキなお姉様が作った朝ごはんを食べ終えたあたしは、幸せーみたいな顔をしてソファに寄り掛かって頭を乗せていた。
食後のコーヒーを淹れて持ってきてくれた小町さんが、あたしに。
「そう言えば、千早ちゃんてコーヒーブラックでいけるの?」
「無理です」
答えたのはあたしじゃなくてカイト。
あたしはキッとカイトを睨む。
「そんなことないのだよ少年!飲める!飲めるに決まっておろうが!!」
言ってから、目の前に置かれたブラックコーヒーの入ったカップを手に取り、グビッとやって、
ブホッ!と吐き出した。
「にっがぁああ――ッッ!!!!ムリ!!ガチでムリ!!」
半ば泣きかけのあたしを、隣でカイトが面白そうに笑っている。
「ホラ。だから言っただろ?」
「うぇ~……口の中に…口の中に虫が入って間違って噛んだような後味なのだよ…」
「どんな後味だっつの」
呆れたようなカイトの言葉に言い返すこともできず、小町さんが愉快そうに笑いながらガムシロップとミルクを入れてくれたそれを飲む。