電波的マイダーリン!




「…だぁ――ッッ!!死ぬかと思った!!」

「千早ちゃんって面白いよね~!いいキャラしてるよー」


そう言うアナタもいいキャラしてますから!

笑っている小町さんに心の中だけでツッコミを入れるあたし。

そんなあたしの隣では、普通にブラックでコーヒーを飲んでいるカイト。


…コイツ飲めるのか!?

なんで飲めるんだ!?

やっぱ電波だから!?(だからそれは関係ない)


悔しさに拳を握っていると、向かい側に座った小町さんが、カップを置いてあたしを見つめた。




「千早ちゃん。私、昨日、さっそく会いに入って来たの。葵くんに」




突然放たれたその言葉に、あたしはクッと息を呑む。

どんな話を聞かされるのか。

あたしは身構えるように、顎を引いた。


「私が見た葵くんの第一印象は、“優しそうな人”だった。千早ちゃんもそうだったんでしょ?
初対面の私に、すぐに笑顔を向けてくれたのよ。

もちろん、あなたたちがどこに居るかは教えなかったけど…葵くんからも、聞かれなかった。

で、私、昨日いろいろ疑問が出てきてね?それを全部ぶつけてみたの。

彼、ちゃんと答えてくれたのよ」


小町さんはそこで一度言葉を切り、会話を思い出すように天井へと視線を向けた。


昨日、小町さんが独り言のように呟いていた疑問。

葵は、一体、なんと答えたのか。


小町さんがゆっくりと口を開く。






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