電波的マイダーリン!
けれどそれは――…
「…私、葵くんも辛かったんじゃないかと思う」
…――驚きの言葉で。
何も言えず、ただ小町さんを見つめるしかできないあたしは、しかし、小町さんは続ける。
「千早ちゃんは、きっと勘違いしてると思うの……いえ、違う。
葵くんが“勘違いする”ように仕向けたのね。
…ねぇ、千早ちゃん。
この話は、私から聞きたい?それとも…
…葵くんから聞きたい?」
小町さんの瞳は真剣だ。
あたしはその瞳から目を逸らし、俯いて考える。
葵に勘違いさせられている…?
それは一体どういうこと?
答えを知りたい。
けれど、会うのは怖い…
…でも、それじゃまた“逃げている”
あたしはここで、“過去”を乗り越えなければならないんだ。
「……葵から、聞きたいです」
顔を上げ、しっかりと言うと。
「さすが千早ちゃんね」
小町さんは、なんだか嬉しそうに微笑んだ。