電波的マイダーリン!




“あなたたち”っていうのは、たぶんあたしとカイトのこと。

あたしはカイトにアイコンタクトを取り。


「……あー…おかげさまでww」

「そうですか。それは何よりです(棒読み)。」

「…………(冷や汗)。」

「マジっすか!?茉莉さん知らなかったっすよ!?ちー姉ちゃんってば水くせぇでやんすよぉ!!」


身を乗り出してきた茉莉に、あたしは「すんません」と苦笑する。

その様子を眺めていた葵が、不意に店の隅に居る瑞希へと視線をよこし。


「…で、彼はどうしたんだい?ずいぶんと落ち込んでいるようだ」

「あー……」

「それに、彼女も。珍しいね、美山さんが落ち込んでいるなんて」


ちょっと挑発気味に言ったのは、たぶん元気づけるため。

花梨は挑発に乗りやすいので。

けど、今日の花梨は葵を睨んだだけで、顔を背けてしまった。

これには、葵もビックリらしく。


「……よほどのことがあったみたいだね」

「……まあ、聞いてやってくれたまえマイブラザー」


で、あたしは今日あったことを葵に話した。











「…なるほどね。それで、こんな雰囲気になって、僕等を呼んだ…と、いうところかな?」

「鋭いっすね兄貴。さすがっす」

「あははっ。…それにしても、彼…東野くんだっけ?やるじゃないか。実に男らしいよ」


「ヤツ自身は墓穴を掘ったと思ってるよきっと…」






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