電波的マイダーリン!




翌朝は三人とも眠すぎて、あたしの携帯に花梨から


『今日初詣行かない?』


って電話が掛かって来た時はげんなりした。


「いやはや花梨さん……今日はなんと言いますか…こう…睡魔が襲来してきたといいますか…」

『なるほどオールしてたのかしら。で、初詣行かない?』

「拒否権ないんですねわかります。」

『日付変わる前、駅に集合。じゃ』


それだけ言うと、花梨は勝手に通話を切断した。

その機械音を聞きながら、あたしはぐったりとベッドに寝そべった。


「日付が変わる頃ねぇ…じゃ、その時まであたし寝とくよ。おやすみー」


「ちーはーやちゃん♪」


おやすみ三秒で夢の中に行こうとしていたあたしの耳に、そんな声が聞こえてきたから寸前で現実に引き戻されてしまった。

犯人はマイマザー。

ニッコリ笑顔で、ドアの隙間から顔を覗かせている。

あたしは顔だけをそちらに向ける。


「なんすか~?」

「おせち作るの、一緒にやらない?」

「…あいにく千早さんは睡魔さんと遊ぶ約束をしt「お母さん千早ちゃんとおせち作るの楽しみにしてるんだけどなぁ~♪」


こちらも拒否権なしなんですねわかります。


あたしは渋々起き上がり、口を尖らせつつ呟く。


「わかったよ…作ればいいんでしょ作ればぁ」

「やった~♪お母さん嬉しいなぁ♪」

「あたしは眠くて死にそうだよ…(遠い目)」





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