電波的マイダーリン!
アルファさんは右手の人差し指でスティックをクルクル回しながら、左手は腰に当て、目線は呆れたように向こうの方だ。
あたしは驚きの余り、
「…い、いいんですか…?ホントに…?ドッキリとかじゃなくて…?」
とか言ってしまった。
アルファさんはホントに呆れたのか大きなため息をつく。
「こんなところでドッキリ大作戦して何が面白いんです?
本当ですよ。でも、一日限りですからね?
ま、私もそんなに鬼じゃないですし~。あなた方の淡い青春を見守って差し上げようじゃないですか」
肩を竦めて、眉を下げて笑うアルファさんに、あたしは「ありがとうございます!!」と頭を下げた。
『現在の時刻は午前1時。明日のこの時間がタイムリミットです』
そう言って、去って行ったアルファさん。
あたしは、その姿を見届けながら、なんだか虚しい気持ちになっていた。
たった一日。
24時間で、一体、何ができるというのだろう。
泣きたくなって、けれど、泣くのは我慢した。
泣いている暇はない。
時間は止まってはくれないのだから。
あたしは隣に居るカイトへと視線を向け、その手を取った。
弾かれたようにあたしを見下ろしたカイトに、告げる。
「カイト、今から探検に行こう!!」