電波的マイダーリン!





「……カイトだけは、絶対に、あたしから離れて行かないって思ってたのに…」


気がつけば、思いは言葉になっていた。


「…エゴかな…それって変かな……でも、あたしは信じてたよ…

…あの日、噴水のところでカイトがあたしを抱き締めてくれたから……。

あたしを見捨てないでくれたから……この人は絶対…あたしの傍に居てくれるって…!」



次第に流れ始めるのは、涙。

一度崩壊した涙線は、直ることを知らないらしい。


「なのに……離れて行くんだ…!

あたしのせいで…あたしがあんなこと言ったから…あたしがカイトのこと好きになったから…!

好きになんなきゃよかったのに…嫌いで居ればよかったのに……ッッ!!!!



…カイトのことなんて…――ッッ!!」





……大……嫌い……。



言おうとして、けれど、あたしは、いつの間にか、カイトの腕の中に居た。

耳元で、カイトの悲しそうな声が聞こえる。


「…ごめん。…それ以上、聞きたくない」


我に返った。

その声で、あたしは自分の愚かさに気づく。


…今、なんて言おうとしたの。

…今、あたしは、なんて――…。


あたしはカイトの背中に手を回し、首を振った。






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