電波的マイダーリン!
なんだかんだで瑞希と意気投合しちまったあたし。
瑞希は意外とオタクに理解があるようで。
「2ちゃん知ってるんすか瑞希さん!?」
「知ってるだけだけどね。マンガとかも読むし」
「じゃ、あたしがさっき読んでたマンガも!?」
「モチ♪」
「キタ――ッッ!!!!」
ってな感じで、バイト中だっていうことを忘れてあたしと瑞希はマンガの話しに花を咲かせたわけですよ。
…ま、店長に怒られたのは言うまでもないっすね。
「た…ただいま〜…」
ヘトヘトになりながら家の玄関を潜る。
あ、ヘトヘトになったのはモチのロンで怒られたからなんだけども。
玄関にある靴を見る限り、お母さんは帰ってきてない。
そう言えばカイトの靴はどうしてるかっていうのを説明し忘れてたな。
カイトの靴は、持って上がってるっす。
じゃないとゲームオーバーになっちまいそうだから。
あたしはフラフラと階段を上り、自室のドアを開けた。
「カイト〜ただいま〜」
「千早」
後ろ手にドアを閉めたその時。
カイトが覆い被さるようにして、あたしの動きを封じた。