電波的マイダーリン!
ちょいんちょいんと頭上に「?」を浮かべるあたしなんて露知らず、アルファさんは答える。
『そ。電波!もともとカイトは正規の人間じゃないからね。
中に電波を通して動かしたり、情報を流したりしてるのでーす!』
…し…
知らなかった…。
や、カイトが人間じゃないってことくらいわかってたけどね?
でも、まさか電波で動いていたなんて…。
てっきりロボットみたく中の機械で動いているのかと…。
…ああ!
「だから“電波的マイダーリン!”って名前なんすね!?」
『そうそう!…で、本題はどちらに行ってしまったのでしょーかぁ?』
「あ゛!」
そうだった!
一番大事なことを聞き忘れていた!!!!
「そう!そうなのだよ!カイトが居ないのだよ!!」
『居なくなったぁ?』
「です!どこに居るかわかんないっすか!?」
携帯に怒鳴るようにして捲し立てるあたしに、アルファは唸ってから黙る。
『居場所は…まあ電波を辿ればわからなくもないですがねぇ…』
「今すぐお願いします!!今すぐ!!」
『ふむ。了解しましたー♪ちょっくら頑張ってみまーす♪』
……大丈夫なんだろうか。