電波的マイダーリン!
この気まずい空気は一体なんなんだい!!!?
っていうか、カイトさんは何故に不機嫌なんすか!?
あたしの脳内は再びパニック状態。
ああ!!
カイトがわからない!!!!
「千早」
「はい!?」
「俺、ここでバイトするから」
「…ほぇ…?」
カイトは頬杖をついて、コーヒーの入ったカップを口につけながら、そう言った。
「え、だってあたしがバイト始めた理由は…」
「いいって言ったろ。自分のモンくらい自分で買うって」
「……う…うぬぅ…」
カイトの威圧感に押されまくり、あたしは曖昧に頷いた。
それを了承と受け取ったらしいカイトは、カタンとカップを持って立ち上がる。
あたしに背中を向けたカイトを、
「かっカイト!」
反射的に呼び止めた。
「…なに?」
カイトは横顔だけをこちらに向けて、静かに問う。
あたしは視線を下げ、小さな声で。
「…今日、なんでそんな不機嫌なの…?」
「…教えて欲しい?」
「うっうん…」
教えてくれるのかと思って首を縦に振った。
けど、カイトは冷めた瞳で答えた。
「……ヤダ。」
一緒に住み始めて、
初めて背中を向けられた。