電波的マイダーリン!
あたしは花梨に背を向けて、ポケットから携帯を取り出してリダイヤルを押した。
耳に当てたスピーカーから、コール音。
ずーっと鳴り続けるコール音。
まさか…
…まさかホントに…!!!?
『……ふぁい…?』
途切れたコール音の次に聞こえたのは、あからさまな寝起きの声。
「アルファさん寝てたっすね?」
『…うんうん。仮眠取ってたぁ…って、要件はなんでしょう?』
「うぬ!!あたしゲームオーバーになってません!!!?」
『またですかぁ?一体何やらかしてんですぅ?』
呆れたような声色で、でもすぐさまキーボードを打つ軽快な音が届く。
『…あ。』
それに被さって、アルファさんの声が。
「えっまさか…!?」
『…おなか空きましたねぇ…』
知るかぁあ――ッッ!!!!
「アルファさん!?」
『あーはいはいっとー…う〜ん…特にそんな情報はないですけど?』
「ほっホントですか!?」
『イエス!で、毎回毎回ゲームオーバーの恐れを伴う何をやらかしてんです?』
「やーあのー…今回は、口外しちゃったかなぁ…と」
『あらまあ。でもそんな情報入ってないし…どんな口外方法を?』