バー恋 ~文字が色を放つ時~
「俺の隠れ家」そう言って連れてこられた場所は、こじんまりとしたジャズが流れるお店だった。

「飲めるよね?」

「少しなら……」

「上等だよ」

 座った場所はカウンター。対面なら間違いなく、目も合わせられないだろう。

 一人で苦笑した。

「じゃ、乾杯……」

 グラスを合わせるとクリスタルな音が弾ける。
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