バー恋 ~文字が色を放つ時~
 もうじき離さなければならない翔吾の手を……。

 一番電車は時間どうりにやってくる。もう、祈りは叶わない。

 翔吾とは途中まで一緒だった。あたしが降りる3つ前まで……。


「さすがに早いから、俺達の貸切だな」

「あはは……本当だね」

 翔吾の隣に座る。到着まで20分。

 電車の中は温かく、オールの身体はウトウトと睡魔に襲われる。
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