バー恋 ~文字が色を放つ時~
「ふぅ……」と大きな溜息をついて、いつもの柔らかい表情に戻る。


「そうか、ごめん。変なこと言い出して」

「えっ……」

 何で優作が謝っているのだろう。あたしは冷静さを取り戻した。

「……ごめんなさい……あたしこそ大きな声を出した……」

「いいよ、せっかく逢えたのに嫌な思いさせてごめん。今飲み物持ってくるから……」

 スッとあたしの隣を通る優作。哀しげな表情だった。
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